[アンガーマネジメント] 叱ると怒るは全くの別物

怒ることと叱ること、似ている言葉ですが、これは全くの別物です。 違いや感じることを書き出して、考えを深めてみたいと思います。

叱るとは

叱るとは、相手が思っていることを認めた上で、相手に問うことなのだと思います。 相手の改善点や課題に対して、今後どうしていったら良くなるかということを相手が自ら気付けるように伝えることが、叱るということなのではないでしょうか。 そしてこの改善点も、叱っている側は必ずしもこの方法が良いと押し付けるのではなく、相手が自分で考えるというのが中心になります。 なので叱られている人に助言を求められた時には、自分の中にある方法を提示することで、考えを押し付けずに一つの案として伝えています。 叱られている人は相手が「こうしたら今よりもっと良くなる」とヒントを与えてくれていると感じ、その場で考えることができます。 その思考の先で、新たな疑問が見つかった時にはその場で質問しどんどん思考を進めていくことができます。 つまり叱るとは、相手にベクトルが向いている時、相手に伝わるように伝えるための一つの方法なのです。

怒るとは

怒るとは、感情として怒りが外に出ているということです。 怒るとは、自分に意識が向いている時に本能のまま感情を出すことです。 そしてその怒りが相手に伝わった時、相手は”責められている”と感じます。 怒りをぶつけるという言葉がありますが、怒りの感情は鋭くて大きいため、どーんと強い衝撃が相手に伝わってしまうのですね。 また怒っている最中は周囲が見えなくなってしまう人もいます。 相手に対して思うことがあって怒っていたのに、いつの間にか怒ることが目的になってしまう人もいます。 つまり怒るとは、自分にベクトルが向いている時、相手にわかってもらおうとするために使う道具のことです。

叱っている人が絶対に言わないセリフ

それは、「あなたのために言ってあげてるんだよ!?」です。 怒る時にこのセリフを言う人がいますが、これってあなたのためではなくて完全に自分のためです。 自分の思い通りに相手が変わらないということは違う人間同士なので当たり前のことなのですが、いつの間にか自分のために相手を動かしたいという気持ちが大きく現れているからです。 それに”言ってあげている”と言う言葉は、完全に自分にベクトルが向いていて、”あなたのため”と言う言葉を打ち消していますね。 都合が良いように言葉を使って、相手を自分の思い通りにしたいという気持ちが感じられます。 言われた根本的な部分は自分の成長のための一意見としてありがたく受け取り、その後はそっとその人のそばから離れる方が安全です。

怒りを受け取ると起こること

怒られる内容として、自分が悪い部分もあると思います。 しかし、それで人格否定をされたり、心理的・肉体的に暴力を振るわれたりしても「自分が悪かったから…」と耐えて我慢する必要はないのです。 ではなぜそれでも我慢してまで耐えて、その後どんどんその人に洗脳されていってしまうことがあるのでしょうか。 もしかするとそれが親や恋人、配偶者であった場合には、その人の他の良いところを知っている分受け止めないとと感じてしまうのかもしれません。 でも怒っている人はどうでしょうか。 怒りを理由に、相手が萎縮するように圧力をかけ、恐怖を感じさせているのですね。 それは相手を支配することであり、愛情ではありません。 怒りで相手の上に立つことで自分を正当化したい、認められたい、下に見られたくないといったプライドがあるのだと思うのですが、同時に自分を自分で保てないという弱さを持っているのです。 怒られている人は、自分の気持ちが頭の片隅に寄せられて、自分のダメなところや相手への恐怖心が大きく頭の中を占めて言ってしまうかもしれません。 このようになってしまうと、その人から離れることができても、しばらくの間自分の中に湧き出る感情を素直に感じられなくなってしまいます。 こうならないために、受け取るのは怒りの中の本質の部分までにして、怒りそのものは受け取らずに受け流すのが良いと思います。 そして怒った時に人間性や個性を否定してくる言い方をする人は、普段どんなに優しい言葉をかけてくる人であっても離れたほうが良いでしょう。

怒る方と怒られる方、どっちが悪い?

そもそも、どっちが悪いのかって誰が決めるのでしょうか? 自分にとって嫌なことを言われて怒った方は「こんなこと言われて最悪だ」と思っているし、それがきっかけで怒られることになった方も「こんなこと言われて最悪だ」と思っている状況なのではないでしょうか。 どちらも相手が悪いと思っているし、周りもどっちが悪いかジャッジするのは難しいですよね。 他人にイラッと感じることは誰しもあると思いますが、それを出すか出さないかの選択は自分でしています。 どんな相手に怒りが込み上げたとしても、感情的または高圧的に言った時点で上記のような状況になるのです。 なので、どっちが悪いのかという状況を作らないためにも、感情的または高圧的だと相手が感じないように伝えるように意識することで自分の身も守れるのです。 ここで大切なポイントは、相手がどう感じるかに重きを置くことです。 自分は言ったつもりでも相手にそれが伝わっていなければ意味がないので、相手の立場になって伝えましょう。

まとめ

叱るとは、相手にベクトルが向いている時、相手に伝わるように伝えるための一つの方法のことです。 一方で怒るとは、自分にベクトルが向いている時、相手にわかってもらおうとするために使う道具のことです。 怒られた時は、その人が言いたかった根の部分を読み取ることに注力し、感情的になってぶつかってくる時には受け止めようとせず受け流しましょう。 感情コントロールに関しては、また後日ブログでまとめたいと思います。

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